オーラルフレイル

オーラルフレイルとは?

オーラルは「口腔の」、フレイルは「虚弱」を意味し、オーラルフレイルとは「お口の衰え」を指します。
健康と要介護の間には、筋力や心身の活力が低下する「フレイル」という中間的な段階が存在し、その前段階にあたる「前フレイル期」にオーラルフレイルの症状が現れます。フレイルから要介護状態へと進行せず、健やかで自立した生活を長く続けるためには、オーラルフレイルの段階で早期に気づき、予防や改善に努めることが重要であるとされています。

オーラルフレイルのチェック

  • 歯の数が減った
  • 飲み物などでむせることがある
  • 食べこぼしが増えた
  • 臭いが気になる
  • しゃべりにくくなった

改善するには?

身体的機能の低下(歩行障害や転倒)と認知機能の低下は相互に影響を与え合っています。身体的なフレイル(虚弱)は、認知機能低下や認知症のリスクを高め、逆に認知機能の低下が身体的フレイルの進行を促すことも報告されています。

年齢を重ねると、噛む力の低下、食事中のむせや食べこぼし、滑舌の悪化など口腔機能が衰えやすくなります。この状態を「オーラルフレイル」と呼び、オーラルフレイルが進行すると生活の質にも悪影響を与えます。全身の健康を保つためには、口腔の健康が重要です。特に舌の筋力を鍛えることにより、口腔周りの機能向上が期待できます。

当院では、患者さまの口腔機能を測定し、その結果に基づいた筋力アップのトレーニングを行い、個別の状態に合わせた改善を目指しています。

トレーニング指導の流れ

  1. 01

    問診・アンケート

    • 生活習慣でお口に悪影響を及ぼしているものがないか
    • 習癖に影響を及ぼしているものがないか

    以上の点を中心に患者さまにヒアリングをすることで、改善点や適切なトレーニング方法をご提案することができます。

  2. 02

    診査・計測

    専用の機械を用いて、舌圧(舌の力の強さ)や舌の動き、唾液の量、噛む力などお口周りの検査を行います。

  3. 03

    正しい咀嚼・嚥下をするための指導

    問診や検査から得られた情報をもとに、専用のトレーニング用具を使った舌の筋力アップや正しい嚥下の仕方の習得など、患者さまお一人おひとりに合ったトレーニングを行っていきます。また、発音トレーニングを行うことで口腔周囲筋を鍛えることができます。

オーラルフレイル予防

オーラルフレイルが進行すると、口腔機能低下症に移行し、咀嚼や摂食嚥下に障害が現れます。これにより、食べる機能が低下し、日常生活に支障をきたすことがあります。

口腔機能管理の目的

悪循環を断ち切り、栄養不足から抜け出して、健康を維持することが目指すべき目的です。
生活習慣や食生活の改善を通じて、身体に必要な栄養素をしっかりと補給し、体調を整えることが大切です。これにより、エネルギーが充実し、免疫力も向上するため、日々の生活においてより活力を感じられるようになります。健康な身体を作ることは、心身のバランスを保つための第一歩であり、長期的な健康維持に繋がります。